«くろいさんた②»

『さんた』に連れていかれた子供達はどうなるんだろう
『さあどうなるだろう』
じごくに行くの？
『さあどうかな』
ころされるの？
『サンタもできるだけそうはしたくは
ないだろうな子供好きだろうし』

曖昧な答えしか返さない相手にイラついて
部屋から出ていこうとした時彼の口が開いて
こんなことを呟いた

『あー・・・でも』

寒い所には行くかもしれないな


どうゆうことなのだろう・・・



『寒い・・・』
ぼくは今袋詰めにされて
黒いサンタこと駄目太に誘拐されている
いや・・・誘拐って言葉はおかしいかな
家族みたいなものだと思ってたし
あんまりにぼくが殴るから仕返しに
以前言ってた『寒い所』に
連れていかれるのかもしれない

どうやら空を飛んでるらしい
袋越しでも風の音と
あいつの翼が羽ばたく音がはっきり聞こえる


つい数時間前
『これ・・・？もしかして俺に？』
投げつけた袋を簡単にキャッチして
駄目太が不思議そうな顔をしてぼくを見た
『・・・』
『教えてくれよー』
教えてやんない
冗談でもさっきのはちょっとイラっときたから
ぼくは悪い子扱いされるようなことなんて
した覚えなんてないし・・・
せっかく君へのプレゼントも用意したのに
なんだか少しショックだった
『シャドー・・・教えてくれないなら』
『なにさ・・・』
『強制連行っ！！！』
『え？え？ええちょっなにすんだこの馬鹿駄目太！』
ぼくは再び袋を被されて詰められた
ご丁寧に空気穴が開けてあったから息はできたけど・・・
なんかもう・・・どうにでもなればいいやって気持ちになる
口ばかりで君はぼくのことを家族だとも友達だとも・・・
恋人だとも思っていなかったんだね・・・最低





少し眠ってしまったようだ・・・

ざくざくと雪の上を歩く音が聞こえた
だけどさっきよりも寒くはない
眠っている間に一度袋が開けられたんだろうか
あいつのマントがぼくに巻かれてる

『・・・？』
『シャドー起きたのか？』
ぼくが起きたことに気付いたのか
ダメタが袋の紐を解いてるようだ
『ちょうど着いたんだ』
着いた？
『着いたって・・・』

袋が開いて外を見ると鏡の国でも
プププランドでもない知らない場所
大きなクリスマスツリーに手袋の形をした家
おとぎ話の幻想的な雪の世界にいた

『シャドー前さ毛糸の国に行ってみたいって言ってただろ』
『・・・え？』
『毛糸の国旅行とかクリスマスプレゼントにしたら
喜んでくれるかなって・・・カービィと相談して決まったんだ』
『・・・』
『お前欲しいもの特にないってばっかだから・・・
クリスマスにここのイルミネーションすごいから・・・えっと・・・その怒った・・・？』
『・・・連れてくるならサンタの袋よりトナカイのソリの方が素敵だったと思う』
『あ・・・そ・・そうだよなー・・・』（←ロマンの欠片もない人）
『・・・マント』
『え？』
『返す・・・ありがとう君は寒くなかったの？』
『俺はこれがあったからな』
彼はさっきプレゼントに渡そうと思ってたマフラーを巻いていた
『・・・』
すでに自分のものにしちゃってるとこにちょっと
ムッとしたけれど・・・元々君に渡すものだったからいいか
『ダーク・・・ありがとう』
聞こえないように呟いたけど
聞こえていたのか彼はいつもみたいにニヤニヤしながら
ぼくの頭に手を置いてきた

※※※※※
あとがきっぽいもの

後の二人の毛糸の国旅行中の宿は
キルトマンションのカービィの部屋を借りることになりました
旅行に必要な荷物はちゃんとダメタん手配してますわよ


クリスマス近いけど何も更新できそうになかったので
相変わらずの下手小説です(´・ω・｀)